扇子を胸に寄せる可憐な着物姿の乙女。赤い袖が、淡い紫と黄の地にひきたち鮮やか。桜花の柄が春の華やかさを思わせます。右上にさりげなく舞う蝶が優美。まさに珠玉の松園芸術です。

■上村松園　略歴（明治8年～昭和24年）
明治8年、京都市生まれ。父親は松園が誕生する直前に他界したため母仲子によって育てられる。明治20年、京都府画学校入学後、鈴木松年、幸野楳嶺、竹内栖鳳の門下で研鑽を積む。明治23年、弱冠15才にして「四季美人図」が第3回内国勧業博覧会で一等褒状受賞、英国皇子のお買い上げとなる。昭和16年、帝国美術院会員。昭和23年、女性初の文化勲章受章。美人画の大家として国内のみならず、海外でも高い評価を得る。

●絵寸法（約）／100cm×35cm●額寸法（約）／124cm×48cm×2.5cm ●重量（約）／6kg●絹本●額材質／女桑縁・アクリルカバー入・掛け紐付