画面全体の薄白さと薄青の縦のぼかしが、強弱をつけて降る細かい雨の様子を表現。濃淡さまざまに色分けて描かれた楓の葉が絵に奥行き感を演出しています。その楓の枝に停まるつがいの雀がほのぼのと心を和ませてくれる夏の秀作。

横山大観　略歴（明治元年～昭和33年）
茨城県生まれ。朦朧体という、線描を抑えた独特の没線描法を確立。朦朧体作品を次々と発表するが、当時の守旧派から痛烈な批判を浴び、海外へと渡る。海外では彼の作品は高い評価を得る。海外での高評価を受け、やがて国内でもその画風が評価され始める。近代日本画壇の巨匠である。昭和12年、第1回文化勲章受章。

●絵寸法（約）／34×45cm●掛軸寸法（約）／115×54.5cm●高精細デジタル印刷専用布●三段本表装●一文字・風帯／金襴●軸先／陶器●桐箱収納